mayunanoblog2の日記

これイイな♪と思ったアイテムやプチ情報などを、不定期に🆙。

恋の始まりは、いつも……《良あ》

 

恋の原点 中

恋の原点 中 より抜粋

        狡い女   

         1  

 乱馬は落ち着かない様子で、居間にいた。

 テレビを点けていても、画面に集中できず、漫画を読もうにも内容が頭に入ってこない。帰宅してからずっとこの調子だった。

 せっかく彼女たちから逃げ切って、暗くならないうちに帰って来られたというのに。その原因が、あかねの不在だということは絶対に認めたくない。けれど一人でいる時間に、虚勢を張ってもなんの意味もない。

 あれから右京が通りかかり、シャンプーと右京で乱馬を巡っての戦いがまた始まった。両者ともまったく譲らない。二人の女性の口論から始まって、肉体戦に移行するまで時間はかからなかった。必死の攻防戦が展開されている隙に逃げ出そうとした乱馬を、右京は目敏く見つけた。

『ちょい待ち! 逃がさへんで、乱ちゃん!!』

 怒声とともにヘラが飛んできて、乱馬の爪先ぎりぎりの地面に突き刺さる。

『アイヤー! 乱馬。いつもいつも逃げ回ってるけど、いったいどういうつもりあるかっ』

 シャンプーの双錘の片方が、乱馬の進行方向へズシンッ! とめり込んだ。

 二人は喧嘩を中断し、揃って乱馬の前へズィッと迫る。

『お、おい! どういうつもりって……』

 美しい鬼のような形相の二人の気迫に、乱馬はタジタジとなった。

『だいたい、私たち乱馬のことで戦ってるある。乱馬、無関係じゃないね。それなのに自分のせいで真剣に争っている私たちを放って、毎回逃げる。無責任の極みねっ』

『そうや、乱ちゃん! うちらのこと、バカにしてるんか!?』

 右京は手に持った大ヘラを持ち直す。角度を変えた銀色のヘラがキラッと反射する。

『バカになんかしてねーよ、俺は、その……』

 毎回自分を間に挟んで勝手に熱くなって喧嘩を始めるのは、右京たちだろう。自分は関係ない。そう思ったが、そんな本音を迂闊に口走ったら、ただでは済まなそうな勢いだった。

 あかねに殴られたり蹴飛ばされるのは、慣れている。けれどあの大ヘラや双錘で攻撃されたら、たまったものではない。

 戦力的にはあかねはシャンプーより劣るが、右京とはほぼ互角だろう。けれどあかねと違い、彼女には使い慣れた武器がある。この点のみが、あかねと右京の戦力差だ。

『乱ちゃんがそんなんやと、うちら馬鹿馬鹿しくてやっとれんわ。今日こそ逃げんと、うちの店来て新作のお好み焼き、試食してぇな』

 急に羞じらうように笑顔を見せた右京に、シャンプーが横から噛みついた。

『どさくさに紛れて、なに言うか! 乱馬は今日は私とデートする。おまえがここへ来る前に、そう約束したね!!』

『ふんっ! どうせ嫌がる乱ちゃんに無理強いしたんやろ?』

『無理強いしてるのは、おまえね!!』

   そんなこんなで、果てはどこから湧いたのか小太刀まで加わり、逃げるきっかけを失った乱馬。結局はいつものように追いかけられて、散々だったのだ。なんとか彼女たちを撒いた時は、すっかり夕暮れになっていた。

 乱馬は深呼吸して天道家の門をくぐり、引き戸の前で足を止めた。もう一度大きく息を吐き、意を決して戸に手をかける。

(……)

 あかねの機嫌の悪さを想像すると、なんとも家の中に入りにくい。乱馬は思い直し、門の外へ戻った。あかねの様子を窺おうと、窓からの侵入を思い立ったのだ。喧嘩であかねを一方的に怒らせた時は、けっこうこの手を用いるのだ。家に入るより、あかねの部屋に真っ先に入る。これは乱馬の一種の甘えや、ご機嫌伺いのようなものだった。  たいていは怒っていても、とりあえず窓から部屋に入れてくれるが、怒りが収まらなくて窓の下に突き飛ばされることもある。けれどそこで、ひとまずあかねの機嫌の度合いがわかるし、一度でも接触してしまえば、最初の途方もない緊張感からは解放される。

 庭に回らなかったのは、縁側や居間にいるかもしれない玄馬や早雲の目を気にした為だった。外の道路から塀に飛び乗って、木々の枝や屋根伝いにあかねの部屋を目指すことは、手慣れたものだった。

 あかねの部屋は、西日が指し始めていて仄暗い。窓を開けると風が静かにカーテンを揺らす。

(……んだよ、いねーのか)

 とっくに帰ってきていると思ったのに、当てが外れた。ほっとしたと同時に、一抹の寂しさが広がる。しばらくあかねの部屋で待ってみてが、なかなか帰って来そうにない。

 ゆっくり階下に降りて、道場や庭をさ迷ってみて、ようやく居間に落ち着いたのだった。

 そしてもうすぐ日は暮れる。

(ったく、どこで道草食ってやがんでぃ?)

 もしかしたら昼間の件の怒りを鎮めるために、一人どこかで時間を潰しているのかもしれない。いずれにしてもこんなに長い時間、ほっつき歩いているなんて、相当立腹だったのか。今日はこちらから素直に頭を下げてやるべきなのか。寝そべっていた乱馬は、勢いよく起き上がった。

 いつもは賑やかな家なのに、こういう時に限って誰もいない。静かすぎる気配は、逆に乱馬を不安に駆り立てた。

(しゃーねぇな。探しに……)

   心配になった乱馬は、意を決して玄関へ向かった時。ちょうど戸が開いて、帰ってきたあかねと鉢合わせた。

「ただいまー! あら、乱馬。帰ってたの」

「あ? あぁ、おう……」

 思いの外、あっさりとしたあかねの態度に、乱馬は咄嗟に短く返事を返す。

「ずいぶん遅か……」

 そこまで言いかけて乱馬は、顔色を変えた。背後に立つ良牙の姿に、口調が荒くなるのを止められない。

「良牙!? ……なんでおめーがいるんだよっ!」

続きはpixivでね✨ byシーナ

 らんま1/2で、どうしてもいまだに許せないストーリーがあります。反転宝珠での乱馬くんの言動……。 これに同意見の皆様も多いと推察します。  あと、許嫁交代の時の乱馬の態度! (笑)

 私はあかねちゃんのファンなので、彼女のために支部で乱馬に仕返しを細々と続けていますw

 他にも、胴着の件であかねちゃんを騙そうとしたり、剛力ソバ(蕎麦)で、あかねちゃんにたかが腕相撲で負けたことをいつまでも根に持って……💦 あかねちゃんがシャンプーに勝負で負けたことを悔やんでいると茶化すくせに、ご自分のアノ狭量っぷりには恐れ入ります。

 乱馬くんの性格のおかげで、ささやかな私の創作活動に火が点き、いつまでも消えません♥️ 

 この点だけでも、やはりらんま1/2は面白い👌 私の原点でございます。